通信販売酒類小売業免許・酒類販売業免許の条件緩和申出書



通信販売※で酒類を小売販売する際、申請する免許が「通信販売酒類小売業免許」(以下「通信販売免許」)です。

 

一般酒類小売販売免許(以下「一般小売免許」)と同様に、販売場の所在地を管轄する税務署長に申請をする必要があります。

 

この免許では、店頭小売販売や一つの都道府県の消費者のみを対象とした酒類の小売販売については行うことができませんので、そのような小売販売を行う場合は、一般販売免許を申請します。

 

また、一般小売業免許を受けている事業者が新たに通信販売により酒類を販売しようとするケースでは「酒類販売業免許の条件緩和申出書」を提出して販売条件の緩和を受けて行う方法もあります。

 

※通信販売・・・2つの都道府県以上の広域な消費者を対象として、商品の内容、販売価格、その他の条件をインターネットやカタログを送付※するなどして、郵便、電話、その他の通信手段※を用いた売買契約の申込を受け、提示した条件にしたがって販売することを言います。

※カタログの送付・・・カタログの郵送等による配布・備え置きをいい、チラシ等の郵送等による配布・備え置き・雑誌や新聞への広告掲載・テレビ放送の利用等も含まれます。

※その他の通信手段・・・郵便、電話によるほか、ファクシミリその他の通信機器・情報処理の用に供する機器(PC)を利用する方法、電報、預金若しくは預金口座に対する払込みを含みます。


申請要件


通信販売免許を受けるにあたっては、以下の人的要件場所的要件経営基礎要件需要調整要件といった、一般小売免許と同様に4つの要件を満たさなければなりません。

 

ただし、それぞれの要件において一般小売免許と通信販売免許では、以下の点が異なりますのでご注意ください。

 

✾人的要件(1)について✾

(一般小売免許) 

申請者が、酒類の製造免許酒類の販売業免許、またはアルコール事業法の許可取消処分を受けた者である場合、処分を受けた日から3年を経過していなければなりません

 

(通信販売免許) 

申請者が、酒類の製造免許若しくは酒類の販売業免許又はアルコール事業法の許可取消処分を受けたことがないこと

 

つまり、一般小売業免許の場合は、申請者が3年以内にこれらの取消処分を受けた者でなければ申請できますが、通信販売免許を申請する者は、これらの処分を過去に一度でも受けてると申請できません。

 

 ✾ 場所的要件について ✾

 酒類販売免許の申請の際に販売場と定めた場所以外の場所に、正当な理由もなく販売場を設けてることはできず、また、取り締まり上不適当と認められる場所に販売場を設けることができないのは、通信販売免許でも同様です。

 

  ただし、一般小売販売では、「申請した販売場における営業であることが、販売場の区画割り、専属の販売従事者の有無、代金決済の独立性その他の販売行為において、他の事業主体の営業と明確に区分されていること」が要件とされていますが、通信販売免許においては、それらが求められていません。

 

 ✾ 経営基礎要件(8)(9)について ✾

申請者が破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない等、経営の基礎が薄弱であると認められると、免許を取得できない場合があるのは、一般小売販売のみならず通信販売許可においても同様です。

 

一般小売販売の申請者に求めらる要件の(1)~(7)までについては、通信販売許可においても同様に求められる要件となりますが、一般小売免許と通信販売免許の(8)(9)は以下のとおり異なります。

(一般小売免許)

(8) 経験その他から判断し、適正に酒類の小売業を経営するに十分な知識及び能力を有すると認められる者※又はこれらのものが主体となって組織する法人である。 

 

(9) 酒類を継続的に販売するために必要な資金、販売施設及び設備を有していること、又は必要な資金を有し免許を付与するまでに販売施設及び設備を有することが確実と認められること

 

(通信販売免許)

(8)経験その他から判断し、適正に酒類の通信販売を行うため十分な知識、経営能力及び販売能力を有すると認められる者又はこれらの者が主体となって組織する法人であること。

(9)酒類の通信販売を行うための所要資金等を有し販売方法が特定商取引に関する法律の消費者保護関係規定に準拠し、「未成年者の飲酒防止に関する表示基準」を満たし、又はこの定めを満たすことが確実であると見込まれること。 

 

(10)酒類の購入者が未成年者でないことを確認できる手段を講ずるものとの認められること。

 

 ✾ 需要調整要件 ✾

通信販売免許も一般小売免許と同様に、酒税保全を目的として、酒類の需給の均衡を維持する必要があります。申請者は酒類の販売業免許を与えることが適当でない者であることが酒税法に定められており(酒税法10条11号)。また、一般小売免許の需要調整要件を満たすことに加え、通信販売で販売できる酒類の範囲が国税庁の手引きにより決められています。

 

✾ 通信販売で販売できる酒類の範囲であること ✾

①国産酒類の場合

特定製造者※が製造、販売する酒類であること。

ただし、前年度の課税移出実績がない場合は、カタログ等の発行日の属する会計年度における製造見込数量により判断されます。

 ・地方の特産品等(製造委託者が存在する地方の特産品等に限る)を原料として、特定製造者以外の製造者に製造委託する酒類であり、かつ、製造委託者ごとの製造委託数量の合計が3,000キロリットル未満である酒類である必要があります

 

②輸入酒類の場合

 

 ・制限なし

 

特定製造者・・・通信販売のカタログ等の発行年月日の属する会計年度(4月1日~翌年3月31日迄)の前会計年度における課税移出数量※が、全ての酒類品目ごとに3,000㎘未満である酒類販売者です。 

※課税移出数量・・・製造者が税金を納める際に基準となる数量(または価格)をいいます。特定の製品については、課税対象製品が製造場(工場)から移出(出荷)されるときに間接消費税の納税義務が発生し、その移出数量(または移出価格)に応じた税金額が定められています。

 


申請書類


上記の要件を満たしている場合は、必要な申請書類を販売場を所管する税務署に提出して、通信販売免許の申請をすることができます。 必要な申請書類は、以下通りです(赤字部分は、一般酒類小売販売業免許の申請と異なる書類です)。

 

(申請書)

(1) 酒類販売業免許申請書

(2) 販売業免許申請書 次葉1「販売場の敷地の状況」

(3) 販売業免許申請書 次葉2「建物等の配置図」※倉庫や酒類の受注にかかる業務を行う場所を明記

(4) 販売業免許申請書 次葉3「事業の概要」

(5) 販売業免許申請書 次葉4「収支の見込み」

(6) 販売業免許申請書 次葉5「所要資金の額及び調達方法」

(7) 販売業免許申請書 次葉6「酒類の販売管理の方法」に関する取組計画書

 

※次葉(1)から(5)の様式は、同等の内容が記載された書面であればよいことになっています。

 

(添付書類)

(1) 酒類販売場免許の免許要件誓約書

(2) 申請者の履歴書

(3) 法人登記事項証明書及び定款の写し

(4) 住民票の写し

(5) 地方税納税証明書

(6) 契約書等の写し(営業場所に関するもの:不動産賃貸借、建築請負契約書、農地転用許可書に係る証明書等)

(7) 最終事業年度以前3事業年度の財務諸表

(8) 土地及び建物の登記事項証明書

(9) 通信販売酒類小売業免許申請書チェック表

(10)その他参考となるべき書類

 


審査


審査については、一般小売販売の場合と同様です。一般小売販売の3.審査をご覧ください。


登録免許税の納付


登録免許税の納付については、一般小売販売の場合と同様です。一般小売販売の4.登録免許税の納付をご覧ください。


通知


通知ついては、一般小売販売の場合と同様です。一般小売販売の5.通知をご覧ください。